【篠原先生の脳コラム】「ほめる」と「やる気」 ~子育てに効く!脳コラム
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「ほめる」と「やる気」 ~子育てに効く!脳コラム
ほめることが大切だといっても、四六時中ほめるわけにはいきませんよね。今回は、ほめるタイミングやメリハリのつけ方へのヒントになるお話を脳科学者の篠原菊紀先生にお伺いします。
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篠原菊紀先生
公立諏訪東京理科大学 特任教授(脳科学、健康科学)。人システム研究所所長。東京大学、同大学院教育学研究科修了。『頭がいい子を育てる8つのあそびと5つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『子どもが勉強にハマる脳の作り方』(フォレスト出版)、『合格賢脳レシピ80』(法研)、『あたまがよくなる! 図鑑』(学研)など著書多数。NHKこども科学電話相談など、TV、ラジオ、雑誌でもご活躍。 平成18年以来、篠原菊紀先生とポピーは「バランスよく脳をきたえる」ポピー教材の実験と検証を行っています。
「ほめる」のおさらい
「ほめるバランス」に関わる、シュルツが行ったサルの実験の話をご紹介します。
・「やる気」や「動機づけ」に関係するドーパミン神経に電極をあてます。そしてサルにジュースをあげると、このドーパミン神経がグッと活動を高めます。
・ランプがついてレバーをたたけばジュースが出てくる装置を作り、しばらく訓練します。するとサルはランプがつけばレバーをたたくようになります。
➡このときのドーパミン神経の活動を調べると、ランプがついた時点でドーパミン神経の活動が高まります。ランプがつけば「やる気」が高まるのです。だから、子どもがいいことをしたらほめる、望ましいことをしたらほめる、をひたすら繰り返せば、子どもは「いいことしよう」「望まれることをしよう」と思うと、ドーパミン神経の活動が増すようになり「やる気」が高まるのです。
だから、ほめよう―――これが基本です。
しかしほめ続けると、ほめられたときのドーパミン神経活動がほぼ消滅します。ほめられ慣れが起こり、ほめられたありがたみが消えるのです。しかも、たまにほめ忘れるといじける、キレる―――これを防ぐには、毎回ほめるのではなく、50~70%くらいの確率でほめるのがいい。
するとほめられたときのドーパミン神経活動は残るし、「待つ心」も育つ―――というものです。
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「やる気」には目的が必要です
ところでマサチューセッツ工科大学のダン・アリエリーらは、学生たちに、運動能力や集中力、それからクリエイティビティ(創造性)が要求されるゲームを多数行わせました。そして、そのゲームの成績に対して報酬を3種類用意します。
小さな報酬、中くらいの報酬、大きな報酬。
非常にいい成績なら報酬の全額を与え、まあまあいい成績なら半分の報酬を与えます。
結果、ゲーム内容が機械的、自動的にできるものだと、報酬が大きいほど成績が良くなりました。
しかし、考えたり、創造したりと頭を使う要素があるゲームだと、むしろ大きな報酬ほど成績が悪くなりました。
単純作業の効率を上げるには報酬が役立つが、創造性の高い仕事では報酬はあまり役立たない。むしろ邪魔になります。
また、何かの仕事をしたとき、その報酬が小さいほどその仕事の価値を高く考える傾向があることも知られていますから、子どもの育ちの初期や、その子にとって初めての事柄では「ほめる」を多用するにしても、最終的には外側からの報酬ではなく、内発的な動機をいかに育てるかこそが大切になります。
小さな目標、大きな目的
子どもの内発的な動機を育てるのに大切なものは、「目的」と「目標」です。
目的の「的」は「まと」。最終到達点です。それはあくまでも、高く、大きく。
最近の研究では、高い目的を持っている人ほど認知症になりにくいそうですから、子どもばかりではなく、親にとっても高い目的が必要です。高い目的とか言われると大変なことのようですが、実は簡単。
あらゆる学習や仕事は、最終的には「世のため、人のため」。
世の中よくしたもので、商売でもなんでも最終的に「世のため、人のため」につながる営みは、お金も評価もついてくるように出来ています。特に人口減少社会では、世の中に役に立たない話は干されていきます。
「世のため、人のため」。そうお題目のように、親子ともども唱えていれば、そこにいたる目標(「標」は「しるべ」です)はあれこれ生まれてきます。
そして、その目標を具体的で実現可能で肯定形で表現できる形に噛み砕き、目標実現のたびにドーパミン神経系が活動するようにする。そういう二段構えが内発的な動機を高めるコツになります。
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こちらは、ポピー子育て応援サイト「ポピフル」からの転載です。
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