子どもが自律的に学べるようになるための声かけのコツ

年長さんを子育て中の編集部員からの投稿です。

幼児期の学びは、「好き」という気持ちをしっかり育んだうえで!と、考えている我が家。
せっかくなので、触れさせる教材は楽しいものを、一緒にやるときは楽しい雰囲気の中で、をモットーにしています。

その効果あってか、現在年長の娘は、お絵描きや運動は大好き、お勉強(といってもたいしたことはしていませんが...)も、まぁ、楽しくやっています。

ところが、難航しているのが、一緒に弾けたら楽しそうだなと気軽な気持ちで始めたピアノ...。

ここからは、ピアノの先生に気づかせてもらった、子どもが自律的に学べるようになるための声かけのコツについてご紹介します。

間違いをすぐに指摘したことが子どものストレスに

文字や数であれば、鉛筆で書いたり、シールを貼ったり、なにかしら子どもが考えた軌跡や作業の跡が残るので、「なるほどね。うん、うん。なんでそう思ったの?」なんて声をかけながら、もし違っていても頭ごなしに否定せずに、一呼吸おいて一緒に取り組めます。

ところがピアノは、そうはいきません。

違ったら、その時に言わないと、なんのことかわからなくなってしまうので「音が違うよ、そこはスラーだから跳ねない」などついつい口を出してしまいます。

だって、だって、仕方ないと思いません?

娘も「あっ、そうか」と、曲のほうにすぐに意識をシフトしてくれればいいのですが、「せっかくやっているのに、直された」というところに相当ストレスを感じていたよう。

練習するときは横で聴いていてほしい、でも直されるのは嫌!という娘と、なんとか正しい形を伝えなければと思う私で、バトルになることもしばしばでした。

先生のひとことで自律性が生まれた

そんなある日のこと、週に1回通っているピアノ教室で、先生が娘に「ちゃんと自分の耳で自分の音を聴いてごらん。おかしかったら、もう自分でわかるはずだよ。」と声をかけてくれました。

短い言葉でしたが、この言葉は、私たち親子のピアノの練習の様相をガラッと変えてくれました。

鍵盤を触って 本格的にピアノを弾き始めてから1年半。(教室に通い始めてからという意味ではもう3年半)この間に積み重ねたレッスンで、自分が声に出して歌っているものと実際に弾いているものがずれていたり、音が不自然に濁っていたりしたら、その違和感に自分で気づけるはずだ、というのです。

私は、ピアノに関して違っていたら正しい形を教えよう、教えようとしていましたが、自分で気づけるよう意識さえ向けさせてあげればよかったのです。娘も、もし違ったら言われるだろうという感じで、これまで自分の弾いている音に耳を澄ます、ということをあまりしてきませんでした。

でも、先生に言葉をかけてもらってからは、家でも「音をしっかり聴いて」と言うだけで、随分自分で気を付け、間違えたら、「あっ、違った」と言いながら、自分で弾き直すようになりました。

大切なのは子ども自身に考えさせること。親はそれを促す声かけを

今回の話は、ピアノだけでなく、いろんなことに通じる姿勢の話でもあります。

間違っているときに、「そうじゃない、正解はこうだ」と教えるのは簡単です。

でもそれでは、教えられるほうは、自分で正解を考えないし、指摘されたとき以外に、自分で検証することをしなくなります。

大事なのは、子ども自身が、自分の出した答え・ 自分がやっていることが正しいのか見つめられること。
そして、先生が「おかしかったら、もう自分でわかるはず」と言ってくれたように、「本気で取り組めば、あなたならできるはず!」というメッセージを子どもに伝えてあげることではないかと思います。

これこそ自律的な学習の神髄(しんずい)ともいえるのではないでしょうか。

今後、娘の「直されるのが嫌」という反骨精神(?)が、「人から何も言わせないくらい、自分でしっかりやるぞ!」につながっていくことを願いながら、ほめたり、励ましたりしながら、自律的な学びを応援していきたいと思います。


この記事はポピーの教育情報まとめサイト・ポピー子育ておうえん隊より抜粋しています!

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