子育て家庭が今知りたい!「子どもを成長させるAIの使い方」

子どもを成長させるAIの使い方~中橋 雄先生に聞きました。 なぜ作文の宿題にAIを使っちゃいけないの?

中橋 雄先生 × 本多幸子さん

AIの普及、特にChatGPTをはじめとする生成AIの進化により、社会環境は大きく変わっています。子どもたちの生活、学びへも、AIは様々な面で関わっています。
 子どもたちが自分を上手に成長させ、これからの時代に適応できる人になるためには、どのようにAIを使い、AIが普及した社会・環境と向き合えば良いのか?
 子どもがデジタル社会を生き抜くためのメディアとの接し方、情報の見極め方について発信されている中橋 雄先生に、おうちの方を代表しママノユメ生成AI部代表の本多幸子さんがお聞きしました。

中橋 雄(なかはし・ゆう)先生

京都教育大学 教育創生リージョナルセンター機構 教職キャリア高度化センター 教授。教育⽅法学を専⾨分野とし、特にメディア・リテラシーを育む教育⽅法、ICTを活⽤した教育⽅法に関する教育実践研究に長年取り組んでおり、子どもたちに向けた『10歳からの 図解でわかるメディア・リテラシー 「情報を読み解く力&発信する力」が身につく本』(メイツ出版)、『メディア・リテラシーかるた』(NHK財団)を監修。

本多幸子(ほんだ・さちこ)さん

生成AIパスポートの資格を持つ2児のお母さん。全国で様々な活動を行う女性・ママのコミュニティ「ママノユメ」の生成AI部代表を務め、「こどもも生成AIを自分の人生を生きるうえでの心強い相棒にできること」を目指して活動中。

そもそもAIってなに? 子どもたちの遊びや生活にどう関わっているの?

本多幸子さん(以下、本多):ここ2年ほどで生成AIが一気に広がり、AIという言葉をよく耳にするようになりました。ただ、身近には感じていても、子どもたちの生活や学びの中でAIが実際にどう関わっているのか、よく分からないと感じている保護者の方も多いと思います。教えていただけますか?

中橋 雄先生(以下、中橋):「AI(人工知能)」とは、コンピューターが人のように考えたり、学んだり、予測したりする仕組みのことです。難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば「人の知的な活動をコンピューターにまねをさせたもの」です。私たちが何気なく使っているサービスの中にも、実はたくさんのAIが使われています。

たとえば、会社やお店のホームページで質問に答えてくれるチャット機能、病院でレントゲン写真をもとに病気を見つける仕組み、自動運転の技術などもAIが活用されています。AIは特別なものではなく、気づかないうちに日常生活に溶け込んでいます。

子どもたちの学習面でも、AIはすでに身近な存在です。インターネットで調べ学習をすると、検索結果の情報を要約した文章が生成されることがありますが、これもAIのはたらきによるものです。また、学習用のドリル教材の中には、子ども一人ひとりの理解度に合わせてAIが問題をだすものがあります。英語学習では、AIと会話することで話す練習ができるアプリも増えています。

以前は、「AIには危険な面があるから、子どもには使わせない方がよい」という考え方もありました。しかし現在では、意識しなくても自然とAIに触れる場面が増えています。大切なのは、AIを遠ざけることではなく、どのように上手に使っていくかを考えることです。大人が仕組みや特徴を理解し、子どもと一緒に使い方を話し合っていくことが、これからの学びにとって重要だと言えます。

本多:私には2人子どもがいて、YouTubeをすごく見てるんですが、そういうところにも関わっていたりしますか?

中橋:私たちが普段使っているYouTubeでは、見た動画のあとに「おすすめの動画」が表示されます。これは、これまでの視聴履歴や、同じ動画を見た他の人の行動をAIが分析し、「これが好きそう」「役に立ちそう」と考えたものを選んでくれているからです。たくさんの情報があふれる中で、必要な情報を選んで届けてくれるのは便利な仕組みです。こうしたAIの働きは、すでに私たちの生活の身近なところに自然に取り入れられています。

本多:「生成AI」は大きなAIというくくりの中の一部のようですが、生成AIはこれまでのAIとどう違うのでしょうか?

中橋:「生成AI」は、その名のとおり、新しいものを生み出すことができます。これまでのAIは、たくさんの情報を比べて分類したり、特徴を見つけたりすることが主な役割でした。たとえば医療現場でレントゲン写真を比較し、異常を見つけるような働きです。

一方、生成AIは、これまでに学習した多くのデータをもとに、「こんな文章を書いてほしい」「こんな絵を描いてほしい」といった問いかけに対して、新しい内容を作り出します。画像や音楽や動画なども作り出せます。人と会話をするようにやり取りでき、自然な言葉で答えが返ってくることも大きな特徴です。

生成AIは、使ってみるとやっぱり魅力的です。面白い。だから「こんなことをさせたらどうだろう」と工夫、試行錯誤する。それは人間の大切な役割かもしれませんね。子どもたちも同じで、こんなことを調べてみたい、聞いてみたい、やらせてみたい、作り出したいっていう時、楽しみながら工夫して生成AIを活用しています。

生成AIはうそをつくって本当ですか? 

本多:生成AIを用いたChatGPTに質問したら間違った答えが返ってきたと聞いたことがあります。AIがうそをつくことはあるのでしょうか? 

中橋:AIが間違った情報を出すことはありますが、うそをつくっていう表現は擬人化されてるなと感じます。人のように「嘘をつこう」と考えているわけではありません。AIは意味や感情を理解しているのではなく、言葉の流れとして「次に出る確率の高い言葉」を選んで文章を作っています。そのため、自然な表現、あるいは説得力のある表現が生み出されますが、AIは「うそを教えてだましてやろう」ということを考えているわけではないのです。

本多:「擬人化は違う」と認識するだけでも、AIの見え方が変わってきますね。確率として自然に見えるためにどう出していくかを行うコンピューターといった認識で良いのでしょうか。

中橋:そうですね。仕組みの上でそうやって間違いは出てきます。またAIが学習しているデータや、表示された内容に偏った情報が含まれていることもあります。「他の見方もないかな」と考えながら使うことが重要だと思います。

本多:先ほどYouTubeの「おすすめ動画」の話が出ましたが、YouTubeやネットニュースなどを見る時、AIによって偏った情報が表示がされること、いわゆる「フィルターバブル」が起きますね。 同じような価値観、趣味嗜好の情報にばかり接してしまい、大げさに言うと対立や社会の分断が深まる理由にもなります。

中橋:子どもが見ているものに対して、「私(親)にはそれが出てない」ということを話すと良いですよね。「他の〇〇さん、他の△△さんが見てるものは違うね」と気づけるようにする。そして、そのことによって何が起こるか、そもそもなぜそうした仕組みになっているのかを考えてみると良いと思います。

便利だからそうしたサービスが提供されているわけですが、ただ使っていくだけではその仕組みに気づけない。それだけに、子どものうちから意識して使うことができるように、仕組みについて学ぶ機会をつくることが大事だと思います。でも、子どものうちから意識しないといけない。「自分が見ているものは一部のものなんだ。違うこと、考えがあるんだ」、そして「人それぞれ考え方が違う、偏ったものだけに触れていくと、対立が生じやすくなる」ということはひとりでは気づけないので、家庭でそれを話題にしていくのも必要だと思います。

本多さんの感想~我が家でこんなふうにしてみよう!

子どもはYouTubeが大好きでよく見ていますが、同じような動画がおすすめに出てきています。
私やお父さんのスマホで見るYouTube画面と比べて「ママとパパとは、出てくる動画が全然違うね、どうしてだろう?」と聞いて、一緒に考えてみたいですね。
「子ども、ママ、パパで好きなこと、興味あることが違うんだね」「その好きなこと、興味あることにあわせて、動画が出てくるんだね」を意識した後に、「好きなこと、興味あることが出てくるのは便利でいいことだけれど、よくないところもあるかな? 本当はもっと好きになるかもしれないことを見逃したりするかも」といったことも話しあえるといいなと思います。

なんで作文の宿題に生成AIを使っちゃいけないの?

本多:生成AIでわかりやすい文章が作成できるので、作文の宿題も任せようとしたらできる。どんどん子どもの考える力が低下するのではないかという親の不安も生まれています。

中橋:使い方しだいだと感じます。使い方を誤ると、確実に考える力が低下してしまうのではないでしょうか。すべてを任せきりにすると人は考えなくなってしまいます。学校の学習には能力を高めるという目的があります。その目的を無視してAIを使ってしまうと、子どものためになりません。だから、親も目的を意識してAIを使うべきかどうかを、子どもと一緒に考えていくことが大切です。

本多:小4の息子と小1の娘がおりまして、夏休みに作文の宿題が出るのですが、特に読書感想文がすごい大嫌いで…、実際「なんで作文の宿題をチャットGPTにやってもらっちゃいけないの?」と聞かれて、すごく困りました。
先生ならどう答えられますか?

中橋:すごく難しい質問ですね。でも、自分で考えてみてほしいと思いますね。
「こうだよ」と親から理由を押しつけるよりも、 子どもの視点で「なんでだろう」と考えてみてもらう。「作文、読書感想文をするとどうなりますか?」と問いかける。
「読む力がつきます」「作品を楽しむ力がつきます」「他の人に伝えることができます」「伝えられた人はそれを見て、何か反応を返してくれます」「関わりが生まれ、様々なことが豊かになっていきます」というように、「良いこと」が実際に生まれることを、子どもに気づいてもらう必要があると思います。

問いかけをし、気づきに導いていくのが望ましいのではないでしょうか。気づきを親や先生に任せてしまうと、得られるはずだった成長が得られない。自分で気づけるようにしていくことが大事ですね。

本多:「考える」ということが一つ大きなキーワードなのでしょうか。

中橋:突き詰めていくと、なんで学校ってあるんだろうとか、なんで勉強しないといけないんだろうとか、「あることの意味や目的」を考えることがいろいろ出てくる。AIもその中に位置づいてるんじゃないかと思います。

本多さんの感想~我が家でこんなふうにしてみよう!

「なんで~してはいけないの?」「なんで~しなきゃいけないの?」と聞かれたときには、「~するとよいことってなにかな?」「~するとしないでどう違うかな?」というように、問いかけ返しを心がけるようしたいですね。
それで答えに迷っているときは、ヒントを出したりしながら一緒に考えられたらなと思います。

「考える力」を低下させないためには?

本多:「考える」ことで言うと、私の子どもはYouTubeを見だしたら、ずっと見ています。 同じように生成AIのChatGPTも会話をしたら一瞬で時間が過ぎてしまうのではと感じます。子どもがぼーっと動画見てるだけ、ChatGPTと会話しているだけだと、自分では発信してない状態なので、考える力や、表現する力が身につかないのではないかと不安です。

動画視聴や生成AIとのやり取りに関して、少しでも子どもの成長に通じるような親の働きかけができればと思いますが、どういったことを意識したり、声かけしたりしてみると良いでしょうか?

中橋:まず、働きかけることはすごく大事なことですよね。なぜそれが大事かというと、働きかけることによって、そこに思考の機会が生まれるわけです。だから、考えさせる問いかけをどんどんしていくことがすごく大事なんです。
動画もぼーっと見る方法もあるけれど、頭を働かせて見る方法があるわけです。そこに導くためには働きかけが必要で、例えば、「この動画には何が映っていて、そこから何がわかったか」を聞いてみる。

考えて情報を読み取って抜き出すことは、思考のプロセスとして鍛えていくべき部分です。
さらには、動画を読解するにはいろいろな切り口があって、例えば「この動画のこの人はどんなふうに考えているかな」と聞いてみる。答えが返ってきたら、なぜそう思ったかを聞いてみる。「表情がこうだから」と根拠を探し、情報を抜き出して表現する。それが動画を考えて見る方法だと思うわけです。

見えている動画から読み取るだけではなく、見えていないものから考えることもあります。例えば「この映像の次はどうなると思う」と問いかける。見えている動画がヒントになって、「次はこうなるのでは」と可能性を考え、予測する。そうしたことが大事なんですね。

本多:なるほど、やはり問いかけが大事で、思考するプロセスのきっかけになるんですね。

本多さんの感想~我が家でこんなふうにしてみよう!

子どもはYouTubeの「ダンスやってみた動画」など好きでよく見ています。
「どこがおもしろいの?」と聞くと、「かっこいい」とか「動きがおもしろい」といった感覚的な感想が返ってくるのですが、「かっこよく見せるためにどんな努力をしてると思う?」とか、「一番おもしろい動きはどこ?」とか、「もっとおもしろくするならどうする?」とか、もう少し踏み込んで問いかけを工夫してみたいですね。

子どもを成長させるAIの使い方~どんな意識や能力が必要?

本多:子どもの成長につなげるため、どのようにAIを使っていけばいいか、「こんなことを意識して、こんな力を身につけた方がよい」というアドバイスがあれば教えていただけますでしょうか。

中橋:お伝えした通り、使い方を間違えると思考力が低下するなどの危険性があります。まずは「危険性がある」ことの認識が重要で、その認識にはAIの仕組みを理解することが大切だと考えられます。
AIを学ぶには、AIがどんなものかを知るだけでなく、何ができて、どのように活用できるのかを考える視点も重要です。また、AIを使うことで自分自身や社会にどういった影響があるのかを考えることも欠かせません。これらを別々にではなく、つなげて考え、学んでいくことが大切だと感じます。

本多:確かにあまり知られていないし、考えられていないかもしれない。大事なことだなと思います。

中橋「能力」という点で言うと、とても大事なのがメディア・リテラシーです。これはAIが登場する前から、いろいろなメディアについて言われてきた力ですが、AIを使う今の時代にも求められています。
AIで生成された画像や映像がSNSで回ってきたり、テレビCMでも出ている人がタレントさんだと思ったら実はAIで作られていたり、ということもあります。

知らないうちにAIに触れている時代だからこそ、そうしたものが当たり前にある社会だと知ることが大切です。また、そうしたものが当たり前にあることが、どんな社会的影響を生んでいるかを意識していくことも重要だと思います。

メディア・リテラシーとは
(1)メディアの意味と特性を理解した上で、
(2)受け手として情報を読み解き、
(3)送り手として情報を表現・発信するとともに、
(4)メディアのあり方を考え、行動していくことができる能力

子どもを成長させるAIの使い方~意識や能力はどう身につける?

本多:そうした意識や能力は、どのように身につけていけばよいのでしょう?

中橋:メディアは今や身の回りにあって、透明な存在になり、意識しにくくなっています。だからこそ、あえてメディアを意識して考えてみることが大切です。

自分一人だけでなく、他の人とメディアのあり方について語り合うことで、「このメディアはこう言ってるが、こっちのメディアはこう言っている、そこに違いが生じてるのはなんでだろう」という風に考えていくことができます。
また、どのような技術が使われているのか、AIによって表現されているものは何かなどを考えることも含まれてくるのではないでしょうか。

本多:なるほど、透明なものから、色がついているものかもしれないと思って見てみると、意識が変わって、「本当なのか」を感じ取るきっかけになるということですね。

中橋:情報には送り手と受け手がいて、その間に入ってくるのがメディアなのですが、送り手には「これを伝えたい」という目的や意図がある。受け手は「この人はなんでこう表現したんだろう」と、その目的や意図を意識する必要があります。
あるいは、「この人はこう表現しているけれど、別の見方や伝え方があるのではないか」というように、表現されていないところまで考える批判的な思考力がとても大事だと思います。

何かを伝えようと思ったら、取捨選択って必ず必要になるわけです。「何かを伝えると、何かを伝えることはできない」いうことがあることを、まず知ることが大事なのではないでしょうか。

本多さんの感想~我が家でこんなふうにしてみよう!

上の4年生の子は、テレビで大雪のニュースを見て「雪、たいへんだなぁ」と感想を言っていました。例えばそんなとき、雪が降らなくて困っていたスキー場のニュースも見せたり、話したりすれば、「雪で困る人もいるし、助かる人もいる」と、いろんな見え方、考え方を意識させられるなと感じます。
また、「大雪で困っている人が多いニュースはたくさん見るけれど、雪が降って助かった人のニュースはあまり見ないのはなぜだろう?」というようなことも聞いてみると良いかなと思います。

YouTubeや生成AI、どれくらいを使わせても大丈夫? 基準は?

本多親としては、どれくらいYouTubeを見せても大丈夫なのか、どれくらい生成AIを使わせても大丈夫なのか、基準が気になります。「うちは一時間にしてる」とか、けっこうママ友の間で話したりするのですが、具体的に何がいいという確かな情報はどこにもありません。

どのくらいの時間触れさせてよいか、どういうルールを作ればいいか、子どもとのやり取りの中で何をしたらよいか、迷うところがあります。先生はどう考えられますか。

中橋:まず、時間は決められないですね。場合・状況にもよりますし、発達段階にもよるかもしれない。それをすること、長時間使うことによって、日常生活に支障が出ないようにすることが大事だと思います。また、時間さえ制限すれば良いというものではないと思います。何か他に興味をもてるものがあることが大事で、そういったものがあれば、そちらの比重が増えてくるはずです。

他のことに興味を持てず、動画にしか興味を持てなければ、ずっと動画を見ているでしょう。生成AI相手の会話で時間が過ぎていくことになるかもしれない。何か他の興味を持てることを一緒に考えていくような姿勢が大事なのではないかと思います。

本多:時間制限にあまりにフォーカスするのではなく、その子が他にもっとやってみたいことを見つけるのが大事ということですね。

本多さんの感想~我が家でこんなふうにしてみよう!

「YouTubeばかりみすぎじゃない?」という問いかけではなく、「これしよう」「ここ行こう」と誘ったりして、いろいろなことに触れる機会や体験を増やしたいですね。子どもが興味を持ったら一緒に楽しんだり、それに触れる場を広げたりして、「好き、もっとやってみたい」を育てる環境を整えて、テレビの「博士ちゃん」みたいに夢中になれることを一緒に作りたいですね。

受け身にならず、自分で考えて学べるようにするには?

本多:勉強にしても、遊びにしても便利になったぶん「受け身の姿勢」が多くなってしまっているように感じます。例えば、子どもたちが自分たちで工夫をして遊びを作るとか、勉強でいえば自分で課題を見つけなければいけないとか、昔は能動的に関わっている場面が多かったのが、今は少なくなってきたのではないでしょうか。「考える力」につながると思うんですけど、そうしたところをうまくカバーしていくためにはどうすればよいでしょうか。

中橋:昔なかったメディアを使った遊び、コミュニケーションの中でも工夫は生じていると思います。いろいろ面白い使い方を考え、始める人がいますよね。工夫の姿勢は今の子どもや若者にもあるはずなので、自然発生すればいいかなと思います。

ご家庭で考えていただきたいのはデジタルツールの使い方です。例えばスマホやパソコンなどの情報端末、いろいろな使い方ができるはずなのに、ある一定の使い方しかしていないことがあるのではないでしょうか。「YouTubeやゲーム、娯楽にしか使いません」だと、非常に狭くなっていますよね。学習にも使えるはずなのに、使い方を知らない、きっかけがないので使っていないということが結構あると感じます。

「こんな使い方もできるよ」というアイデア出しをし、話していくことが大事でしょう。 YouTubeでも、生成AIでもそうかもしれません。効果的に学習に使う方法はあまり浸透してないように思います。

本多:「ここが間違っていたよね」だけでなく、「ここは不得意なところだから、テスト前にやっておこう」みたいことを、指示されなくてもできようになってほしい。それをうまく身につけていくためには、先生やアプリに言われた、出されたことをする勉強だけではなく、自分で考えて勉強することが大事だと思うのですが、どうすればよいでしょうか。

中橋:今の学校現場では、主体的な学び、「学習者が自分で学習課題を設定し、探究的に調べ、まとめて学んでいくこと」が重視されていて、実現していく方法の一つとして「今日の授業の中で、あなたにどのような成長がありましたか」といったことを書く振り返り活動が効果的だとされています。
心理学用語で「自分が認知していることをメタレベルで客観的に見て取れる」メタ認知という言葉があります。そのメタ認知の能力を身につける効果が、振り返りの活動にはあるのではないかと言われています。

「どんな成長を得たいのか、自分はどこまでの段階にあるのか、何が課題になっているのか、何をすれば目的に近づけるのか」の見通しを持って学ぶことができるようになってほしいんですが、いきなり一人でできるようにはなりません。足場をかけてあげる必要があるんですね。振り返り活動のように問いを投げかけてあげ、自分を客観的に見て考えるよう支援することが大事だと思います。

本多さんの感想~我が家でこんなふうにしてみよう!

もちろんがんばったことをほめつつ…、テストが返ってきたときなどに「どこが難しかったかな?」「ここ、どうやって解いたか教えてくれる?」というような声がけ・問いかけをすれば、「〇点だった」「できた、できなかった」と結果を見るだけではない振り返りができるかなと思いました。

本多:やはり問いかけが大事ですね。本日はありがとうございました。

中橋:ありがとうございました。

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