子どものあせも・日焼け・虫刺され ~予防対策と対処法~

夏は外あそびが増える季節。同時に皮膚トラブルも増加します。夏に起こりやすい皮膚トラブルの予防対策と対処法を小児科医 鈴木 洋先生にうかがいました。

鈴木 洋 先生

鈴木こどもクリニック 院長
信州大学医学部卒業。東京大学医学部助手、愛育病院新生児科部長を経て東京都墨田区に「鈴木こどもクリニック」を開業。南米をはじめ30か国以上で、日本人の子どもたちの診療や健康相談等に関わってきた。育児や小児の健康に関する新聞・雑誌記事の執筆、著書等多数。

汗、紫外線、虫から子どもの肌を守りましょう

子どもは皮膚が薄く、バリア機能も発達途中です。そのため大人に比べて皮膚トラブルが発生しやすい傾向があります。特に夏は、高温多湿で汗をかきやすい、紫外線量が増えて日焼けしやすい、虫が活発に行動するなどの理由で、皮膚トラブルが増加しがちです。

今回は、汗・紫外線・虫の3つに起因する皮膚トラブルの予防対策と対処法をご紹介します。

汗をそのままにすると...あせも→とびひに!

夏の代表的な皮膚トラブルがあせもです。

イラスト/おおたきょうこ

Q. 鈴木先生 教えて! 夏、あせもにならないための正しい過ごし方は?

外に出ないで涼しい部屋にずっといる

毎日水風呂に入って体を冷やす

汗をかいたらこまめに拭く

かゆいところは風に当てて乾かす


答えは

あせもの原因

あせもは、汗が通る管(くだ)である「汗菅」がつまることが原因で発生します。特にたくさん汗をかく首や背中、汗がたまりやすい腕や足の関節の内側にできることが多いです。

大量に汗をかいた後、それを放置しているとあせもができやすくなります。汗に含まれる塩分などが汗菅をつまらせたり、皮膚に付いたほこりが汗菅をふさいだりします。汗菅が詰まると、行き場をなくした汗が皮膚の内側にたまってしまい、それが周辺組織を刺激します。その結果炎症が起こり、あせもができるのです。

あせもの予防対策

汗をかかないようにすることがいちばんの予防ですが、冷房のきいた部屋でばかり過ごすことは決していいことではありません。汗は気温に対応できる体を作る大事な機能です。汗をかいたあと、シャワーを浴びたり、濡らしたタオルで優しく拭き取ったりして、皮膚を清潔にすることが大切です。

あせもの対処法

あせもができてしまったら、なるべくかゆみを出さないようにします。汗がしみて痛みを感じることもあるので、汗をこまめに拭いて肌を清潔な状態に保ちましょう。また、部屋にいるときや就寝時は、冷たいタオルを当てたりしてかゆみをおさえてください。かきむしって傷になると、“とびひ”になったり傷跡が残ったりすることがあります。あせもがひどいときには医師に相談しましょう。

※とびひとは...アトピー性皮膚炎や虫刺され、あせもがある場合、夏の暑さも加わりかゆみが強くなります。つめでかきむしることで皮膚を傷つけ、爪に付いたばい菌に感染するのがとびひです。傷ついた皮膚に次から次へと「飛び火」していくことから、このような病名がつきました。かゆみをおさえるために皮膚を冷やしたり、爪を短く整え、皮膚に触れる部分を常に清潔にすることで予防が可能です。

紫外線を浴びすぎると...さまざまな肌トラブルのもとに!

紫外線が特に強い夏は、日焼けに注意が必要です。

紫外線をたくさん浴びすぎると、以下のようなことが起きるとわかっています。

①しわやしみなどの皮膚老化を早める

②将来、皮膚ガンを起こしやすくなる

③目の病気(白内障、翼状片、網膜のメラノーマというガンなど)を起こしやすくなる

赤ちゃんのうちから、日焼けをしすぎないように注意してあげることは、生涯健康で過ごすために大切なことです。

日焼けの原因

日焼けは紫外線による軽度の“やけど”です。過剰な紫外線を浴びることによって、皮膚がダメージを受けて炎症を起こして赤くなる「サンバーン」と、その後、メラニン色素が皮膚に沈着して、肌色が濃くなる「サンタン」の2段階を経過するのが一般的です。

日焼けの程度は、肌質や、浴びた紫外線の種類・量によって個人差が出ることが多く、ひどい場合はやけどと同じように水ぶくれができることもあります。

日焼けの予防対策

・外出する時間帯を工夫しましょう

一日のうち、10時から14時までは紫外線量が強くなります。この時間帯は長時間屋外で活動することを極力控えましょう。

・場所を工夫しましょう

屋外であそぶ時はできるだけ直射日光を避け、ひさしや屋根、パラソルの下などの日陰を選んであそばせましょう。曇りでも晴天の80%以上の紫外線が当たるため、対策は必須です。

・帽子や衣類で防ぎましょう

つばの広い帽子をかぶせて、顔や目をガードしましょう。衣類は、肌の露出が少ないもの、目の詰まった布でできているもの、紫外線を反射しやすい白か淡い色のものがおすすめです。紫外線防止効果のある衣類も普及していますので、取り入れるとよいでしょう。

・日焼け止めを使いましょう

日焼け止めクリーム類は赤ちゃんから使うことができます。ベビー用や子ども用として販売されている、低刺激性のものだと安心です。汗や水で落ちにくい、ウォータープルーフの製品であればより効果的です。使用後はきちんと洗い落としておくことも、健やかな肌のために大切です。普通の石けんやボディーソープで落とせるものがほとんどですが、購入するときに、洗い方についての説明を確認し、わからないときはお店で尋ねておきましょう。

塗り薬や虫除けと一緒に使うときは、「塗り薬→日焼け止め→虫除け」の順で使いましょう。

日焼け後の対処法

・患部をよく冷やしましょう

やけどと同様に、痛みや火照りがあるときは、濡らしたタオル、氷のうなどで冷やしましょう。冷たいシャワーで冷やすのも効果的です。

・しっかり保湿しましょう

日焼けした肌は、水分が蒸発して乾いている状態です。肌を刺激しないように気をつけながら、化粧水やクリームで優しく保湿してあげましょう。

・体内の水分補給を忘れずに

日焼け後は、肌はもちろん体全体の水分が奪われています。いつも以上にしっかりと水分補給するようにしましょう。

虫も活発な季節だから...虫刺されに注意!

夏は皮膚の露出が増え、海や山、草むらなど、虫のいる場所で活動的にあそぶ機会が多くなります。虫刺され対策も忘れずに行いましょう。

虫刺されの原因

虫刺されとは、吸血性の蚊、ブヨ、ダニ、ノミや、身体に毒を持ったハチ、毛虫、ムカデ、クモなどに刺されて起きる皮膚炎のこと。虫の毒液や、虫の唾液成分などの異物が皮膚内に侵入して炎症が起き、かゆみや発疹、腫れなどの症状が出ます。

虫刺されの予防対策

・虫除けを活用しましょう

虫が多い草むらや山に出かけるときは虫よけスプレーなどを使いましょう。ただし、年齢による使用制限がある製品もあるため、購入時に十分確認してください。

・肌の露出をおさえましょう

肌の露出が多いと、それだけで虫刺されのリスクが高まります。虫のいそうな場所であそぶ際には、薄くて通気性がよく、速乾性のある長袖・長ズボンがオススメです。

虫刺されの対処法

・患部を洗って清潔に

虫に刺されたら速やかに患部を洗って、清潔にすることで、異物の侵入を食い止めます。ハチに刺された場合は、針を取り除く必要があり、毛抜きなどで対処しますが、うまくいかない場合は無理をせず、すぐに医師に診てもらいましょう。

・患部を冷やして、かゆみ止めを

かゆみや腫れがある場合は、患部を冷やすことで症状が和らぐことがあります。かゆみ止めの塗り薬も有効です。かゆみを我慢できずに掻いてしまい、皮膚を傷つけてしまうと、“とびひ”になったり跡が残りやすくなったりしますので注意しましょう。

腫れ、水ぶくれ、発熱など、症状がひどいときにはなるべく早く医師に相談してください。

まとめ

夏本番を控え、海や山などレジャーの計画を立てているご家庭も多いのではないでしょうか。おうちのかたの配慮でお子さんの肌を守り、気持ちよく外あそびを楽しませてあげましょう。

取材・文/那須由枝 編集協力/東京通信社

こちらは、ポピー子育て応援サイト「ポピフル」からの転載です。

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