【入学準備に向けて】子どもが自分でかたづけられるようになるには?

Q. もうすぐ小学生!まずは何から始めればいいですか?

A. お子さんをよ~く観察して、ハードルの低いかたづけから任せてみましょう。

小学生になると持ち物が一気に増えて、物の管理ができるか不安……。

そんなお子さん・おうちのかたの不安に、整理収納アドバイザーの水谷妙子さんが、今日からできる「かたづけメソッド」をアドバイス!

入学に向けて、親子で一緒にかたづけスキルを高めましょう!

水谷妙子さん

整理収納アドバイザー
無印良品の商品企画を13年務めたのち、2018年に独立。「ものとかぞく」主宰、著書多数。

大人の「こうなってほしい」という希望が先走りし過ぎないよう、スモールステップで。

保育園や幼稚園と違い、小学校には親はついて行けません。学校に持っていくものの準備は手伝えたとしても、学校で教科書や学用品を管理する、配られたプリントを持ち帰るなど、お子さんが自分自身でやることが一気に増えます。就学を控え、かたづけやモノの管理ができるようになってほしいという思いから、先に収納用品を揃える親御さんが多いのですが、ちょっと待って!

大人が当たり前と思っているかたづけの仕組みは、子どもにとってはハードルが高いことがほとんど。引き出しや蓋のある収納は難しかったり、収納場所が少し高かったり、奥にあったりするだけで、億劫になってできなかったりするものです。そしてモノを管理する力は、小学校に入ればいきなりできるようになるわけではありません。ごくごく小さなスモールステップで身につけていく意識を大切にしてください。

すべての子どもに当てはまる正解はない。一人ひとりの特性を見極めることから始めましょう。

例えば我が家には3人の子どもがいますが、特性は一人ひとり異なります。完璧主義だけどヌケやモレが多いタイプ、ゆとりをもって周到に準備や用意をするタイプ、ルーティン重視で見通しが立たないと不安なタイプ、と見事にバラバラ。兄弟姉妹とはいえ、もって生まれたものがそれぞれありますから、そこを無視せず一人ひとりがどうするとかたづけやすいか、管理しやすいかを探っていきます。

得意と苦手を見極めるのは難しそうに見えますが、掛けるだけ、置くだけなどの本当に簡単なかたづけから始めて、やりながらどこまでできるかを試していきます。検証しながらよくよく観察すると、少しずつタイプが見えてきて「この子にはこの方法がいいのかも」が見つかるようになっていきます。

大人も意外と知らない!整理、収納、かたづけ、掃除の違い。

子どもに「かたづけて!」と言ってもなかなか伝わらないことがありますよね。それは、そもそも大人がかたづけの意味を正確に理解していない、ということが原因のひとつかもしれません。かたづけは「モノをおうちに戻す」作業のこと。そして、かたづけの前には「持つモノを決める」整理と、「モノのおうち(収納場所)を決める」収納という段階が欠かせません。

下の図のように、モノを管理するには手順があります。まずは、そのモノが必要かどうかを見極める。それからモノのおうちがわかりやすく、しまいやすい場所かを考えて決める。これができると、モノをかたづけることができ、掃除もしやすくなります。それぞれの段階や役割を理解していると、どこに困りごとやネックがあるのかも見つけやすくなります。

リビングにレジャーシートを敷いて、そこに置くだけでも立派なかたづけ。

お子さんの特性をよく観察して、収納やかたづけの意味や構造を理解したら、ものすごく簡単なかたづけから試してみましょう。

例えば、通園バックのおうちを決めて、毎日自分で置いてみるのはいかがですか。お子さんの負担にならないことが重要なので、例えば小さなレジャーシートで場所をつくったり、蓋のない箱からスタート。ここがおうちだよ、と認識してうまくいったら、次は低い位置に掛けてみる、棚に置いてみるなど少しだけハードルを上げてみましょう。通園バッグのおうちが定着したら、今度は水筒やコップをシンクに持っていくなど、毎日の準備に関わるものを追加していくのもいいですね。あくまで、少しずつ、子どもと今のかたづけが合っているかどうか、検証しながら進めてください。

もしもうまくいかなくても「まだ今は難しいのかも」「ちょっと苦手なんだな」と捉えて、違うやり方に変えてみましょう。うまくいかないときに、おうちのかたが落ち込み過ぎないことも、とっても大切です!

決めた場所にポイッと置くだけ。まずはここから。

ラベルはおうちの表札です。わかりやすいとかたづけやすい。

水谷さんからのワンポイントアドバイス

●お子さんが使うモノのおうちは目の届く場所につくる

お子さんが小さいうちは、家族の共有スペースから近い場所にモノのおうちをつくりましょう。おうちにちゃんと戻せているか、やりにくさを感じていないか、観察しやすくなります。

●タスクを増やし過ぎない

できそうなところから!が基本です。最初からあれもこれもとタスクが多すぎると、いくら得意だったとしても心が疲れてしまいます。

大人と子どもの感覚は大きく違う

大人にとっては簡単なことでも、子どもにとっては至難の業、ということがあります。仕組みを考えるときは、できそうかどうかお子さんとよく話しあって決めていくのもオススメです。

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時計はまだ読めなくても、時間を守るという感覚はつかんでほしい。そんなときには残り時間が目に見えてわかるタイマーが活躍します。宿題に集中するときはもちろん、ゲームやタブレットの時間管理にも役立ちますよ。幼児から小学生まで長く使えます。

株式会社ソニック https://www.sonic-s.co.jp/

文/池田恵子 編集協力/KANADEL

この記事はポピー子育て応援サイト「ポピフル」から転載しています。

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